こんにちは、みちたろうです。
仮想通貨界隈がだんだんと盛り上がってきており、そちらに目が向きつつも
個別株への投資も引き続きコツコツと続けています。
年が明けてからの1月は突然日経平均が暴騰しており、だんだん割安銘柄が見つかりづらく
高値掴みになってしまうのではというドキドキと戦いながら積み立てしていきます。
フォーカスシステムズの概要
システムインテグレーション、IT製品・セキュリティ製品の販売を行っている会社です。
民間企業向けのサービス提供だけでなく、公共向けのサービスに強みをもっており、
直近10年ほどで、東証二部、東証一部、プライム市場へと市場変更しながら業容拡大しています。
データから見るフォーカスシステムズ
配当利回り
調査時の配当利回りは3.46%でした。
(23年3月期の1株配当35円 ÷ 株価1,011円)
参考までに、2023年12月プライム市場の平均利回りは2.16%でした。
売上高・営業利益・純利益
2017年3月期の営業利益・純利益の減少を除くと、各指標上昇傾向にあります。
2017年3月期の利益減少原因は、公共関連事業の一部プロジェクトで進捗遅れが発生し、
コストが増大したことによるものと説明されています。
詳細説明の記載は見つけられなかったため、詳しい原因は分かりませんでした。
2016年3月期の決算短信に記載されている時期予想の時点ですでに利益減少見込みとなっており、
大規模・長期間のプロジェクトが遅延していた可能性が考えられます。
(出所:2017年度の業績予想修正のお知らせ)
1株利益
2015年10月に1:2の株式分割をしています。
下のグラフも分割後の基準に合わせて補正後の値で作成しました。
2018年3月期のタイミングで株式数(除く、自己株式)が増加しており、
これは新株予約権を発行し自己株式の払い出しを行ったためです。
資金調達の目的は以下の通りと説明されています。
①人材確保・育成への投資 ②既存3事業を活かした新製品・新サービスの開発 ③M&A及び資本・業務提携に必要な資金の調達
1点目の人材確保については、前年2017年3月期での利益減少から得た学びとして
対策をおこなっているのでは?ということも考えられます。
(出所:新株予約権の発行に関するお知らせ)
配当
こちらも分割後の数字にあわせて補正しています。
2020年3月期の配当性向が他に比べ高くなっていますが、
これは会社として初の中間配当を令和記念配当という名目で実施していることによります。
なお、その後も中間配当は継続して行われており、
配当性向は30%代の後半を少しずつ上昇しながら推移しています。
株主還元方針
中期経営計画の中では安定配当の継続のみ記載があり、
これといって特筆すべき方針は掲げられていません。
(重要課題という記載はありますが、特に施策の言及なし)
(出所:中期経営計画 24-26)
フォーカスシステムズの特徴
公共向けシステム開発が得意
セグメント別の業績を見ると、公共向けの売上の割合の高さに目を引きます。
売上の約30%を公共関連事業が占めており、この領域ならではの知見をためられていること・活かせていることが安定した受注と業績向上につながっているのでは?と想像できます。
2020年3月期から2021年3月期のタイミングで、決算報告のセグメント分類を組み替えていますが、
公共関連事業だけはセグメント分類を変更せずに継続しており、この領域ならではの事業運営が確立されていそうです。
1988年にNTTデータの前身である日本電信電話との取引を開始して以来、公共関連システムの経験を重ねながら経営基盤となる安定的な収益源に育てました。
なお、NTTデータは現在でも主要取引先のひとつです。
利益率も他事業に比べて高く、公共関連事業が安定・効率的な収益源となっていることで、
その他民間企業向けサービス発展のための投資にもチャレンジしやすい環境が作れているのではないでしょうか。
取引先の集中
売上の内訳をみると、特定取引先に対する売上割合が大きくなっていることが分かります。
以下は昨年の主要取引先に対する売上で、主要4社に対する売上の合計は120億。
売上全体291億のうち約40%にあたります。
この強い関係性はメリット・デメリットの両面があり、
強い関係を築けているからこそ効率の良いビジネス運営を行える半面、
取引先の業績悪化などにより受注が一気に取れなくなるリスクも抱えています。
特に公共関連事業におけるNTTデータ系2社との関係は強く、
公共関連事業が会社の強みとなっている裏付けになっているともいえます。
(出所:第47期 有価証券報告書)
以上、フォーカスシステムズのご紹介いかがでしたか?
まだマーケット上でも注目を集めることが少ないのか、IR情報もそれほど充実している方ではなかったので情報収集にはてこずりました。
公共関連が強いという以外の特徴はほぼ見つけることができなかったのですが、
業績成長の安定性はIT関連と思えないくらいのいい意味でマイペース成長。
公共関連に強いので、IT関連銘柄とみるよりはディフェンシブ関連株という見方をしてもいいのかもしれません。
ひとつひとつ企業の中身を見てみると、証券会社や四季報の情報を眺めただけでは分からなかったことが見えてくるものです。
それでは、よい投資ライフを。