こんにちは、みちたろうです。
突然ですが、世の中の株式銘柄数っていくつあるんだろう?
と思い調べてみました。
東証プライム市場に上場している銘柄数は1,837銘柄だそうです。(2023年10月6日時点)
この中から、リターンが期待できる銘柄を探し当てるのはなかなかハードですが、
あたらしい企業や事業を知っていく新しい発見もできるのがおもしろポイントです。
今回、僕が選定した銘柄は「兼松」。
どんな会社でどんな魅力があるのかを追いかけてみます。
兼松ってなんの会社?
前回に引き続き、なかなか会社名を知らない人も少なくないのではないでしょうか?
東証プライム市場に上場している企業でも、意外と知らない会社いっぱいありますよね。
普段生活していると消費者としてしか世の中の企業に触れることがないので、
こうして調査をしていると実は裏方で世の中を支えている企業を知ることができます。
いわゆる総合商社
兼松はいわゆる「総合商社」と呼ばれる企業です。
東証の業種カテゴリでは「卸売業」に分類されています。
1889年創業という歴史を持った企業で、オーストラリアからの羊毛輸入を起源としています。
創業期には日本の羊毛輸入の4~5割を担うほどの事業規模を誇っていました。
資源投資を行わない堅実経営
他の総合商社では、石炭・LNG・銅山などといった「資源」投資を多く行っています。
資源投資はいったん権益を確保できれば莫大な利益を得られる一方、
市況次第で業績のブレ幅は大きく変化するものです。
5大商社と呼ばれるような商社でも、この資源投資による業績ブレ幅の大きさを警戒し、
非資源への投資を強める動きを行ってきています。
今回取り上げる兼松は、資源投資をおこなわずに堅実な経営を続けてきたと評価されています。
兼松では、「電子・デバイス」「食料」「鉄鋼・素材・プラント」「車両・航空」という4つのセグメントを軸に事業を展開しています。
昨年度は「電子・デバイス」と「鉄鋼・素材・プラント」の2つのセグメントで
大きく利益を伸ばして成長しています。
今年度の見通しでは、昨年度に大きく伸びた「鉄鋼・素材・プラント」はいったんしゃがみ、
他のセグメントでその分カバーする経営を目指しているようです。
各セグメントの中でも多岐にわたる事業を展開しており、
どれかが落ち込んでもどれかでカバーすることがやりやすそうな構成になっています。
兼松の業績
ここからは定量データから見える兼松の業績をチェックしていきます。
配当利回り
配当利回りは3.76%です。
2023年9月の東証プライム市場の平均利回りが2.16%なので、
平均より1.60%上回る利回りが期待できます。
主要業績指標
営業収益はほぼ横ばいながらも緩やかに伸ばしています。
(2016年3月期のタイミングで会計基準を日本基準からIFRS基準に変更した関係で、
2014年、2015年の営業収益の数字はありません)
営業利益はコロナのタイミングで落ち込んだことを除いては、
順調に伸ばしているといえそうです。
一方、純利益は営業利益ほど伸ばすことはできておらず
財務回りの改善が進むと伸びてくるかもしれません。
1株利益
2017年3月期の途中に株式統合があったため、その前後で数値が大きく変わります。
株式数の変動はほぼないため、1株利益の推移は純利益と同様の動きになっています。
配当
ここ数年の動きをみると、配当性向を伸ばして1株配当を伸ばすという形ではなく、
しっかり1株利益を伸ばしたうえで配当も伸ばしているようです。
今年度予想(2024年3月期)も、配当性向は減らしながらも1株配当は伸ばす、
そのための1株利益をしっかり出していくことを目指しています。
グラフにはありませんが、東証の要請PBR1倍もクリアしており、
しっかり利益を出してそのうえで株主に還元するという健全な方針を実行しています。
株主還元方針
今後の株主還元方針として、「配当性向30~35%を目標に安定的な配当」を掲げています。
また今期の配当は15円増配という配当方針も公表しています。
(出所:2023年3月期決算説明資料)
今回ご紹介した兼松、いかがでしたか?
資源投資を行わず、他領域で堅実成長を目指している企業と感じました。
利益の着実な伸びや、無理のない株主還元方針にも、
このあたりの考え方が反映されている気がします。
今回調査をしてみて、改めて
「総合商社ってなにをしているのか、ビジネスモデルがよくわからないな」
というのが分かりました。
総合商社っていうワードはよく耳にするのに、
実は何しているか分かっていないんだな、という気づきが得られるのも
手を動かして調査をしてみたからこそなんですよねー。
このあたりはまた勉強していこうかなと思います。
それでは、よい投資ライフを。